2023年2月23日(木)
第2回成田市歌舞伎講座「歌舞伎の世界」
今回の歌舞伎講座では、多方面でご活躍されている歌舞伎俳優の市川九團次さんと歌舞伎囃子方の田中傳次郎さんのお二人にスペシャルトークとして歌舞伎の魅力や見どころなどをお話いただきました。
市川九團次
1972年生まれ、千葉県出身。1998年大阪松竹座で坂東竹志郎を名乗り初舞台。2005年、四代目坂東薪車を襲名する。2014年に市川海老蔵門下となり、市川道行を名乗る。2015年1月に新橋演舞場『石川五右衛門』のヌルハチ役で四代目市川九團次を襲名。屋号は高島屋。
田中傳次郎
能楽葛野(かどの)流大鼓方で人間国宝の亀井忠雄さんを父に、歌舞伎囃子田中流前家元・九代目田中佐太郎さんを母に持ち、94年「七代目田中傳次郎」を襲名。市川猿翁歌舞伎やスーパー歌舞伎、復活歌舞伎狂言の作調も多数手がける。
トークショー
歌舞伎音楽について
傳次郎さん:歌舞伎音楽は8~9割型生音で構成されています。ひな壇に並んで演奏する「出囃子」と舞台下手にある黒御簾という部屋で演奏される「黒御簾音楽」というものがあります。舞台上で演奏する時は奏者もひとつの景色として参加し、黒御簾音楽では舞台の情景や役者さんの心理描写を演奏を通して表しています。
普段舞台上での演奏には鼓、太鼓など4種類の楽器が使われますが、黒御簾の中に入っている楽器は30種類、小さいものを入れると40種類ほどあります。
音楽による様々な情景の表現
傳次郎さんにお芝居における音の効果を、大太鼓や笛などを用いた実演を交えながら説明していただきました。
「音には印象を常に変えていける効果がある。お芝居を見る時に音にも注目をしていただきながら、ぜひ目と耳で歌舞伎を楽しんでもらえたらと思います。」とお話しくださいました。
勧進帳
舞踊「七福神」
「七福神」は現代に伝わる長唄の中で最も古い歴史ある曲のひとつです。七福神という題名がついていますが、登場するのは恵比寿様ひとりだけ。海に投げ捨てられた蛭子(ひるこ)を引き上げたら、実は福を届ける恵比寿様だったというおめでたい曲であります。
今回は特別に九團次さんに踊っていただきました。