成田市御案内人活動報告

2018年9月21日(金)
中学生親子歌舞伎講座

9月21日(金)、成田市の中学生とそのご家族を対象に歌舞伎を通じて日本の伝統芸能・文化を学んでもらい、成田への愛着や誇りの醸成を図ることを目的として、市川海老蔵さんを講師としてお招きして、中学生親子歌舞伎講座が開催されました。
今回で3回目となる中学生歌舞伎講座ですが、当日は雨模様にも拘わらず海老蔵さんの講座を聞くために沢山の方が足を運んでくださいました。

冒頭の挨拶では、成田山新勝寺と成田市との深い絆に触れ、また成田市御案内人として成田市の中学生と触れ合う機会を持つ喜びを語ってくださいました。
今回の講座では、海老蔵さんの他にも成田屋一門より市川福太郎さんにもご参加いただきました。

トークセッション

福太郎さんは一般のご家庭から成田屋に入門されたそうですが、そのきっかけは?

福太郎さん:もともとは子役としてテレビや舞台等に出ておりましたが、舞台で歌舞伎の荒事を見て、大変心を惹かれて弟子にしていただき市川福太郎の名をいただくことができました。

舞台では緊張しますか?

福太郎さん:今もそうなのですが、緊張します。

海老蔵さん:私は基本的に緊張しませんね。緊張したからと言っていい結果に繋がる訳ではないので、緊張しない事が大事なことです。けれど、緊張しないで舞台に立てるようになるまで何十年と時間がかかるため若い時から日々積み重ねて、いい意味で舞台に慣れていくことも修行の一環です。どんな場合であっても舞台に立ち続けることが肝心ですね。

福太郎さんは将来どのような役者になりたいですか?

福太郎さん:大きなおおらかなお芝居ができる役者になりたい。いつか勧進帳の富樫(左衛門)の役を演じてみたいです。

体験コーナー

続いて、歌舞伎の体験コーナーへ。中学生の代表者9名がステージに上がり、歌舞伎の「見得」について、海老蔵さんに解説をしていただきました。

「見得」とは、お芝居で注目してもらいたい場面で観客を引き付けるために使われている所作です。まずは海老蔵さんをお手本として、みんなで一緒にやってみることに。
頭の振り方に始まり、次に手足の動きをつけて練習をしましたが、体験した中学生の皆さんからは「手の動きが難しい」、「練習が必要」などの感想がありました。最後に全員で見得を披露し会場を沸かせました。
海老蔵さんからは「福太郎が先ほど、今も緊張していると言っていたように、この壇上に上がるだけで緊張したと思う。緊張することが歌舞伎の第一歩です。皆さんの良い思い出になれば。」と話してくださいました。

越後獅子(えちごじし)

今回の講座の翌日に市川九團次さんが演じられる『越後獅子』を、特別に福太郎さんに踊っていただきました。

質問コーナー

そして、海老蔵さんへの「質問コーナー」の時間も設けられました。

Q:好きな食べ物はなんですか。
A:今は納豆です。

Q:海老蔵さんが歌舞伎をやっていてよかったなと思うことは何ですか。
A:お客様が喜んでいる姿を見たときによかったなと思います。

Q:歌舞伎の役の善い役、悪い役はどのように見分けますか。
A:赤い隈取りは正義の味方、黒い隈取は悪役となっています。明日の公演で披露される『蛇柳』では、私が正義の味方と悪役との両方を演じますので、是非ご覧いただければと思います。


隈取姿のうなりくんが昨年のゆるキャラ®グランプリ2017で念願のグランプリを獲得したことの報告と応援いただいたお礼を伝え、海老蔵さんとフォトセッションを行いました。

最後に海老蔵さんより中学生のみなさんに向け激励の言葉をいただきました。