2018年8月19日(日)
第二回成田市歌舞伎講座「歌舞伎の音楽」
歌舞伎の音楽を通じてより理解を深めていただくため、8月19日に歌舞伎囃子方の田中傳次郎(たなかでんじろう)さんをお招きして、第二回成田市歌舞伎講座「歌舞伎の音楽」を開催しました。
講座の内容の一部をご紹介いたします。
田中傳次郎さんは、能楽葛野(かどの)流大鼓方で人間国宝の亀井忠雄さんを父に、歌舞伎囃子田中流前家元・九代目田中佐太郎さんを母に持ち、94年「七代目田中傳次郎」を襲名。市川猿翁歌舞伎やスーパー歌舞伎、復活歌舞伎狂言の作調を多数手がけるなど、歌舞伎囃子方の第一線で活躍されています。
小鼓(つづみ)とは?
小鼓(こつづみ)は胴(どう)と皮(かわ)を調緒(しらべお)と呼ばれる麻の紐で締めて張る構造になっている。
皮は湿度で状態が変化し、音色も変わってしまうので、演奏中も息をかけるなどの調整が必要。
繊細な楽器であり、一人前になって舞台で演奏できるまで、10年かかると言われている。
笛・大皷・太皷が加わっての演奏
(右から)笛・小鼓・大鼓・太鼓揃っての演奏。
全員が目を合わせることなく、正面を向いたまま、掛け声などで息を合わせることで演奏が成立する。
「越後獅子」の演奏
江戸時代に人気を博した曲芸師を題材とした、長唄の「越後獅子」を唄方、三味線方とともに演奏。
鼓打ちの体験
2組の方に鼓打ちを体験いただいたが、音を出すことすら難しく、傳次郎さんと同じような音は出せない。
鼓打ちは、音を出すだけで数年、歌舞伎座で演奏できるようになるまで長い年月がかかり、師匠からは口伝で継承され、一人前になったらそれを次の後輩に伝えていく、これが「伝統芸能」である。
大太鼓の音楽
大太鼓は、時刻を知らせる音や背景・情景を表す自然描写、感情を表す心理描写など、様々な描写を一つの音源によって表現している。
奏法も多種多様であり、長い年月をかけて先輩が演奏するところを見て覚えるが、演じる俳優によっても打つ強さや速さも変わってくるため経験が必要になる。
参加者の声
〇歌舞伎を観るときに海老蔵さん(俳優)ばかり見つめないで音楽のほうも注意して観たいと今回の講座を聞いて思いました。
〇初めての参加でしたが期待以上でした。
〇実際に歌舞伎座に出演されている方々が演奏してくださりとても驚きました。感激です。
アンケートでも好評だったので、来年度も講座を継続して行いたいと思います。
皆様の参加、お待ちしております。